電気化学療法、犬と猫の新しいがん治療法

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新たながん治療、電気化学療法

犬猫のがん・腫瘍の主な治療法は、人と同様で外科治療、放射線治療、化学療法が3本の柱となります。
また近年では免疫療法が第4の治療法として注目されています。

 

欧米では
これに加えて電気化学療法が取り入れられ
当院でも実施可能です。

 

猫の鼻鏡や顔面の扁平上皮がんは有効性が非常に高く、犬でも扁平上皮がんへの効果は高めで、悪性黒色腫(メラノーマ)や棘細胞性エナメル上皮腫などにも効果的です。
その他に軟部組織肉腫、肥満細胞腫、形質細胞腫にも適用可能です。

 

電気化学療法の参考資料

(要約は下部)

 

イントロダクション

飼育動物のほとんどの癌は、手術、放射線療法、化学療法の単独もしくは組み合わせで治療される。治療計画は、腫瘍の位置、特徴、患者の特徴、腫瘍を手術で完全に切除できるかどうか、遠隔転移の可能性など、さまざまな要因を考慮する。腫瘍がどこに発生したかや、浸潤のひどさによって腫瘍を完全に除去できないことがある。完全切除出来なかった腫瘍は再発する可能性があり、再発予防や再発を遅らせるため、術後放射線療法がしばしば推奨される。放射線療法は効果的であるが、高額であったり、何度も麻酔が必要で、45週間続く場合もある。放射線療法の設備が近くになければ、遠方へ通院しなければならない。このような場合、電気化学療法が代替治療となり得る。電気化学療法は、放射線療法や手術が選択肢にない場合に大きな利点がある。

 

電気化学療法とは

電気化学療法は、電気刺激により化学療法薬を癌細胞内に入りやすくし、治療効果を上げる治療法である。電気刺激によって、抗がん剤が癌細胞内に入りやすくなり、最大で通常の1000倍も増加する。

 

電気化学療法で治療できる腫瘍の種類は

獣医療域では皮膚、皮下の腫瘍に最も一般的に使用される。メラノーマ、扁平上皮がん、軟部組織肉腫、猫の注射部位肉腫、犬または猫の限局性皮膚リンパ腫、形質細胞腫、肥満細胞腫(低から中グレード)、肛門周囲や直腸の腫瘍、馬のサルコイドおよび扁平上皮癌、エキゾチックアニマルの表在性腫瘍、気管や食道など内部の腫瘍の一部(部位等状況により)やその他にも使用できる。

 

電気化学療法に使用される化学療法剤

一般的に最も多く使用される化学療法薬はブレオマイシンとシスプラチンである。

(ブレオマイシンは主に静脈注射、シスプラチンは主に局所注射で使用します。)

 

電気化学療法はどのように行うか

麻酔もしくは深めの鎮静のもと実施するため不快感は感じさせない。投与される化学療法の用量は、局所注入の場合は腫瘍や術創のサイズに応じ、また静脈注射の場合は患者の体重に基づく。ある薬剤を静脈内注射と腫瘍への注射を行うこともあれば、ある薬剤を静脈内に注射をし、別の薬剤を腫瘍内注射を行う。治療にかかる時間は約20分、入院は不要。治療回数は腫瘍サイズや反応による。毎週繰り返すことも可能。5cmの病変には平均3回実施。

 

電気化学療法の副作用

施術部位には発赤、浮腫、壊死などを起こすことがある。施術部位の経過を確認するため、再診が必要。数週間かけ瘢痕化し治癒。

 

電気化学療法はどの程度効果的であるか

有効性は腫瘍の種類や大きさなど多くの要因に依存するが、一般に、電気化学療法はペットの多くの癌に対して優れた長期の局所制御を提供できる。他の方法と比較した電気化学療法の利点の1つは、局所再発の場合に治療を繰り返すことができること。最初の診察で、予後と効果について話し合う。

 

まとめ

電気化学療法は、安全で効果的な腫瘍の治療法である。その低コストと管理の容易さは、現在利用可能な腫瘍治療の次の一手として貴重である。

 

電気化学療法についてご興味があれば当院へご相談下さい。

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