腎臓病による高窒素血症を下げる

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腎臓病による高窒素血症

腎臓の働きが低下し老廃物を体外へと廃棄できにくくなるとやがて高窒素血症が起こります。
腎臓のトラブルを解決することが最も理想的な治療となるのですが、そうはいかないのが腎臓病です。
そこで体内での血中尿素窒素産生を可能な限り減少させることが重要になってきます。

 

 

腎臓病とBCAA

高濃度のロイシンはBUNを下げる

腎臓病によるBUN(血中尿素窒素)の上昇に対する制限食としてたんぱく制限が必要不可欠です。

たんぱく(窒素源)制限による窒素源の不足をBCAAの投与により補う事が有意義で
ある事が知られています。

BUN(血中尿素窒素)はアンモニアから作られます。
アンモニアはたんぱく質の異化によりアミノ基から生成され、体にとっては有害物質です。
アンモニアを肝臓で無害化した物質が尿素でありBUN(血中尿素窒素)なのです。

獣医師はたんぱく制限を指示しますし、腎臓病のための処方食は当然たんぱく制限食です。
BCAAもタンパク質なので一部の獣医師は投与を否定することがあるようです。
しかしBCAAの投与が本当に腎臓病に悪いのでしょうか。

BUN(血中尿素窒素)を低下させるためたんぱく制限をしている際に、たんぱく質であるBCAAを与えたとしてもBUN(血中尿素窒素)を上昇させることがないどころか低下させるように作用するのです。

一つはBCAAが代謝される際、アンモニアを処理することができるグルタミン酸が生成されます。
脳や骨格筋でこのグルタミン酸とアンモニアがグルタミン合成酵素の力を借りてグルタミンに変化します。
つまりアンモニアが取り込まれてしまうため、アンモニアが低下し、ひいてはBUN(血中尿素窒素)を低下させることになります。

もうひとつは、BCAAの中のロイシンの血中濃度が急激に上昇すると、筋肉などの蛋白を壊さないように働くだけではなく蛋白同化(たんぱくを作る)のシグナルとなり、BUN(血中尿素窒素)の低下に寄与します。
このことは腎臓病だけではなく肝臓疾患における高アンモニア血症にも効果を示します。

 

 

腎臓病とプロバイオティクス

一見全く関係がないように感じますがそうではありません。
体内の主なアンモニア生成源のもう一つとして腸内細菌があるのです。
アミノ酸分解菌の増殖はアンモニア、インドール、スカトールなどを生成します。
これらは体内に吸収されますが、アンモニアは肝臓で無毒化されBUN(血中尿素窒素)が増えるのです。
乳酸菌を増やすことでアミノ酸分解菌の増殖を抑制し、アンモニア生成が減少することはBUN(血中尿素窒素)の低下につながります。

 

 

腎臓の中の状況

ダメになった腎臓は治せないと言うことはよく知られています。
慢性腎不全を起こしている腎臓の中はどのようになっているのでしょうか。
わずかな数のまだ正常な腎単位(ネフロン)がある一方、多くの完全に機能を失った腎単位があります。
そして機能を失いつつある腎単位も多数存在しています。
機能を失いつつある腎単位は、機能はしていないけれどまだ元に戻る可能性があります。
元に戻るかダメになっていくかはマクロファージの働きが大きく関わっている事がわかっています。
日本臨床免疫学会会誌 Vol. 36 No.1 に、進行性腎疾患における骨髄由来免疫抑制性細胞の意義という題で寄稿されています。
M1M2マクロファージが炎症を起こしたり炎症を抑えたり複雑に作用することが説明されています。

 


進行性腎疾患における骨髄由来免疫抑制性細胞の意義

 

ー抄録ー のみですが紹介します


慢性腎臓病から末期腎不全に至り、維持透析を必要としている患者は依然として減少しない。
慢性腎臓病の進展機序を考えるとき、慢性炎症から線維化へ至る過程において、炎症促進系因子、免疫抑制系因子が複雑に関与しな がら病態を形成しているものと考えられる。
それらの因子の中で、骨髄由来細胞に着目すると進行性腎疾患における骨髄由来免疫抑制性細胞の意義、これまでの多くの報告が、炎症性マクロファージ(Mq)をはじめとする炎症促進系細胞に関するものであった。
近年、Mq の分画に、炎症促進系(M1)のほかに、免疫抑制系(M2)の分画が存在することが明らかとなり、種々の臓器において炎症の抑制、組織の修復に関与していることが報告されている。
また新たな細胞分画であるMyeloid derived sup-pressor cell(MDSC)も同定され、その免疫抑制能に関しても検討がなされている。
本稿では、これら免疫抑制性細胞の進行性腎障害における意義について、概説する

以上、進行性腎疾患における骨髄由来免疫抑制性細胞の意義の抄録を記載しましたが、マクロファージとその上位で指示を出す樹上細胞が様々な疾患に重要な役割を果たしています。

 

 

慢性腎不全とスーパーオリマックス

慢性腎不全が改善

一般的に、慢性腎不全を改善する薬やサプリメントはないと考えられていますし、自分自身もそう信じています。 ところがスーパーオリマックスを、食欲を少しでも出させるために、さらには体調を少しでも良くするために慢性腎不全の犬や猫に与えていただくと、ずっと高値を示していたBUN(血中尿素窒素)が実際に下がったという複数の例を経験しています。

犬猫の慢性腎不全に対しスーパーオリマックスが効果を示すことは、既にNPO法人日本臨床食物機能研究会第6回学術集会(平成23年)でおくだ動物病院の獣医師によって発表されました。

ここでは発表内容の一部文章をご紹介致します。

ペットも高齢化が進んでいる現在、どうしても避けられないのが慢性腎不全です。
慢性腎不全の治療は適切な食餌と水分と電解質のバランスの維持にありますが、適切な薬剤は無く、活性炭製剤の投与が唯一の薬物療法です。
また、人のような人工透析は動物にとってストレスもコストもかかるために一般化されていないのが現状です。すでに、退化した臓器を蘇らせることはできません。
そこで、腎臓値が高い患者の食餌にスーパーオリマックスを混ぜて投与した結果、明らかに腎臓値の低下と一般状態(QOL)の改善が認められました。

スーパーオリマックス(オリザロース)は、マクロファージに対し強力に作用することが確認されており、機能を失いかけている腎単位に働きかけ改善させているのではないかと考えられます。