排便困難を呈する疾患
会陰ヘルニア
お尻の筋肉と筋肉の間が裂けて広がり、その間隙から直腸などの臓器や脂肪が皮膚の下に脱出し、肛門の脇がふくらんで見える疾患です。
例外として、ウエルシュコーギー、フレンチブルドッグなどおしりの周辺が非常に筋肉質な犬種ではこのふくらみがあまり見られないことが多く、直腸憩室と言われる他の疾患と間違われることがあります。
こういった場合、直腸検査により筋肉の裂け目を確認することが重要になります。
主な症状として排便困難が挙げられ、時に膀胱が入り込むことにより排尿困難がおこり緊急事態となることもあります。
治療は外科的に行われます。
シリコン製の材料を隙間を埋めるために使用されたり、筋肉を移動させたりと様々な手術方法がありますが、一般的に手術後の再発率が高い疾患とされています。
しかし、筋肉同士の縫合を行うのみでほとんど再発を起こすことのない手術方法があり、当院ではその方法を実施しています。
手術の写真
※ショッキングな画像が含まれているので、この疾患でお困りの方、手術をお考えの方のみご覧ください。
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![雑種犬の会陰ヘルニア。肛門の左下が膨らんでいます。](/wp-content/uploads/haiben_img001.jpg)
肛門の左下が膨らんでいます。
![フレンチブルドックの場合、外見上のふくらみはほとんどわかりません。(直腸検査で発見されました。)](/wp-content/uploads/haiben_img002.jpg)
外見上のふくらみはほとんどわかりません。
(直腸検査で発見されました。)
![フレンチブルドック手術中の写真1(筋肉を閉じる前)筋肉の隙間に指が入ります。](/wp-content/uploads/haiben_img003.jpg)
(筋肉を閉じる前)
筋肉の隙間に指が入ります。
![フレンチブルドック手術中の写真2(筋肉を閉じた後)指が入っていた隙間が無くなりました。傷の中心に使用した青い糸がいくつか見えます。](/wp-content/uploads/haiben_img004.jpg)
(筋肉を閉じた後)
指が入っていた隙間が無くなりました。
傷の中心に使用した青い糸がいくつか見えます。
先天性疾患(直腸膣漏)
肛門の出口が閉鎖している先天性の疾患です。
この中にはいくつかのタイプがあります。
肛門開口部に膜が遺残するⅠ型の様に簡単な外科的処置で治るタイプや、雌の場合で肛門閉鎖に伴って直腸と膣の間に連絡路があるⅣ型(直腸膣漏)では外科的処置が困難なものもあります。
![先天性疾患(直腸膣漏)](/wp-content/uploads/haiben_img013.jpg)
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![肛門の手前で便のかたまりが形成されています](/wp-content/uploads/haiben_img005.jpg)
![藍ちゃん手術直後](/wp-content/uploads/haiben_img006.jpg)
![現在の藍ちゃんのおしり](/wp-content/uploads/haiben_img007.jpg)
![現在の藍ちゃん](/wp-content/uploads/haiben_img008.jpg)
リンパ節への腫瘍転移
原発腫瘍の種類や場所にかかわらず、骨盤腔内のリンパ節に転移した腫瘤が排便の妨げになった場合、便を出せない苦しみから開放してあげるために手術が必要になります。
![リンパ節への腫瘍転移](/wp-content/uploads/haiben_img014.jpg)
手術の写真
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![おなかが出っ張っています。](/wp-content/uploads/haiben_img009.jpg)
![レントゲン(リンパ節が肥大)](/wp-content/uploads/haiben_img010.jpg)
![しこり](/wp-content/uploads/haiben_img011.jpg)
![しこり切除後](/wp-content/uploads/haiben_img012.jpg)