犬の心内膜床欠損症に対し治療を実施いたしました

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心臓病科からのご紹介です。

今回は心内膜床欠損症という非常に稀な病気を治療させていただく機会をいただきましたのでご紹介させていただきます。

心内膜床欠損症とは聞きなれない病気だと思います。実際に臨床現場にいる獣医師においても、経験したことのない先生がほとんどであるような病気です。
心内膜床欠損症とは、心臓の右と左をわける壁が生まれつきつくられなかった病気です。
このような説明でも理解することは難しいと思いますので下の絵をご覧下さい

 

正常な犬の心臓

 

心内膜床欠損症の犬の心臓

この病気のワンちゃんは右心房と左心房の間の壁がないので心臓からうまく血液を全身に送り出せなくなり心臓が大きくなり心不全になってしまいます。また進行すると肺高血圧症という病気になり失神や突然死を起こしてしまいます。

この病気は人では新生児で見つかり次第すぐに手術を行います。なぜなら進行した場合に手術ができなくなってしまうからです。

今回のワンちゃんの元気食欲は全く問題なく外からみていると普通の子犬さんでした。しかし心臓のエコー検査では心臓はパンパンに大きく、また肺高血圧症に進行していました。手術がギリギリ行えるかどうかの状態でした。人ではすぐに手術を行うと書きましたが、犬ではそもそもこの病気の発生が非常に稀であり、また世界的に手術を行ったのは4例のみです。手術は人工心肺という機械を使って心臓を止めて、人工の壁を作る手術を行いました。約7時間の手術に耐えてくれて術後2日目にはご飯も食べられるようになりました。現在術後1ヶ月ほどになりますが、元気一杯に走り回ってくれています。

最後に手術前後でのエコー画像をお示しします。

手術前

手術後

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