当院が猫のレーザー抜爪手術を考案し25年が経過

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猫のレーザー抜爪手術

先日ある猫の飼い主様と最寄りの駅前でばったり出会いました。

猫の抜爪手術を依頼され、日本で初となる半導体レーザーによる抜爪手術を実施させていただいた子の飼い主さんでした。

その手術を行ったのは25年も前の話です。

 

その手術で切除した爪や抜爪後の前肢端の画像を、その方の娘さんが偶然飛鳥メディカル社のホームページで見つけたという話をお聞きしたのをきっかけに、当時のことが色々と思い出されました。

それまで当院では、教科書的な抜爪方法の一つであるメスを使っての手術を実施していました。

その方法では、術後に手足をプルプル振るとどこかの指から出血が起こって、そのうち止まり、また振っては出血する、ということを何度か繰り返すことがありました。

出血を起こさせない良い方法がないかと考えていたタイミングで、日本ではまだ販売されていない半導体レーザー手術装置を輸入してもらって導入する事になり、1本の爪を常法の切除、1本の爪を半導体レーザーを使用し、術中比較をさせてもらい、残りは2つの方法のうちより良い方法で実施させていただけることになりました。

半導体レーザーによる抜爪手術は術中術後の出血がなく予想した通りであったため、残りは全てレーザーを使用して抜爪を行いました。

通常のメスで実施した1本とレーザーを使用した残りの爪の画像、そして指の画像を飼い主様にお見せし、その画像の使用許可を得て、SLTジャパン社に提供いたしました。

そしてその画像は、現在では同社から独立した飛鳥メディカルのホームページに掲載されています。

術後の爪及び肢端の画像は2つの方法の違いが分かりやすく、メスを使用した爪及び指は血液で赤くなっており、レーザー使用では血液の付着がなく出血が皆無であったことが良くわかります。

声帯切除、抜爪に関してはこちらも参考にしてください 声帯切除・抜爪手術

 

25年前半導体レーザーを導入したきっかけ

Nd : YAGレーザーなどのレーザー装置を使用しての様々な手術や処置に興味を持ち色々調べた結果、山梨県のSLTジャパンが装置を販売しているうちの1社であることを知りました。

すぐにSLTジャパン社に電話をしたところ、幸いな事に直接社長と話をする事ができました。

SLTジャパンには宿泊施設もあるので1泊で工場見学やレーザーに関する様々なお話をしませんかとお誘いをいただいたため、即工場を訪問することにしました。

その際社長から、レーザー装置の種類や特性についての説明、その中で半導体レーザー装置の汎用性などを説明して下さり、新たな事業展開として半導体レーザー装置を販売する計画があること、しかしながら今はまだその体制にはない事を説明してもらいました。

もし早急に使用したいという希望があるなら、SLTジャパンが個人輸入代行をすることが出来るので如何ですかとの話をいただきました。

ただ条件を一つ出されて、5台まとめて購入して欲しいとのことでした。

知り合いの獣医師に声掛けをし、希望者4名を集め発注、導入することができました。

半導体レーザー装置導入は獣医療分野では初となるため、我々購入者で応用方法を開発する小さな研究会を発足し、抜爪手術、緑内障処置、肛門腺の処置等様々な応用方法を開発することが出来ました。

 

 

獣医療用半導体レーザー装置販売会社

飛鳥メディカル株式会社 (SLTジャパンから独立)

株式会社アルテック  (SLTジャパンから2010に薬事承認承継)    

株式会社富士エス・エル・アイ

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